最悪の部下に恋した男 (4/10)
笠井「な、なななな何言ってんの!?職場でそんな事....で、でででできるワケないでしょお!?」
鷲宮「・・・・ぷっ。ぶはっ!あはははははは!!な~に顔真っ赤にしてオロオロしてんだよ!あー、やっべ。腹痛え~。あはははは!」
笠井「・・・・・・・・な、あう....///」
顔が物凄い速度で熱くなるのを感じた。
そうだよ。当たり前だろ。
仕事中に何考えてんだ、俺。
鷲宮「おいおい。何だよ何だよ、今度は目に涙溜めちゃって....ぶはっ!そんなに私とチューしたかったのかよ!童貞怖ぇ~!」
笠井「したかったよ」
鷲宮「・・・・・・・・・・・・へ?」
ポカンとした顔で俺を見る鷲宮さんの肩を勢いよく掴む。
鷲宮「・・・・ってぇ!おい、いきなり何すんだよ!離れ....ろ!」
笠井「嫌だ。離さない。俺、鷲宮さんとチューしたいから」
その言葉に鷲宮さんの顔が瞬く間に赤く染まる。
鷲宮「は、はぁ!?ば....バッカじゃねぇの!?ここがどこだか考えろよっ////おい!バカ!童貞!」
笠井「今は俺達以外に誰もいない」
鷲宮「そういう事言ってんじゃ.....っ///とにかく離せっ!はーなーせ!」
暴れる鷲宮さんの腕や声は、小刻みに震えていて。
きっと、初めてなんだと思った。
手を繋ぐ事も。
異性とキスする事も。
きっと
それ以上の事も。
笠井「わ、鷲宮さんは......俺とキスするのが嫌なの....?」
その言葉に、鷲宮さんの動きがピタリと止まった。
鷲宮「~~~~~~~~~っ///い....嫌じゃ......な......」
プルルルルル
プルルルルル
笠井「うわっ!で、電話.....か....///」
鷲宮「で、電話.....だな.....///」
何事も無かったかの様にデスクに戻った時
鷲宮さんがちょっと残念そうな表情を浮かべていると思ったのは
きっと、俺だけだろう。