取り戻すだけだ (1/10)
笠井「ちょ....ちょっと待ってくれ。昼ヶ丘...って?あの特別指導室の眼鏡女?」
犬村「む?貴様も面識があったか」
笠井「え、えぇ!?いやいやいや、だってあの人は特別指導室の室長だろ?」
犬村「それは表の顔であって、奴の裏の顔はこの株式会社LOVE&PEACEの”代表取締役社長”だ」
笠井「嘘だろ....そんな事って.....」
・・・・いや、待てよ?
そう言えば確か......
『クビにすることはできないですよね?』
『できるわよ?』
みたいなやり取りがあった記憶が.....。
なるほどね。
そりゃ社長ならクビにできるワケだ。
笠井「お前はいつから知ってたんだ?犬村」
犬村「裏課の奴らに連行されてこの目で見るまで知らなかったさ。本当に驚いたよ」
笠井「そうか....。それで隙を見て逃げ出した、と」
犬村「そういう事だ。さぁ、先を急ごう。早く同期を助けに行かねば」
笠井「あぁ....そうだな」
・・・・・あれ?
何か引っかかるな。
確か”あの時”下呂さんは......
『そりゃできますよ。だってこの人は.....』
そんな”何かをニオわせる”言い方をしていた。
まるで、昼ヶ丘が社長だという事を知っていたかの様な.....。
しかし、同じ問題児枠の同期である犬村は知らなかった.....。
これは....何か意味があるのか?
犬村「おい、急げ。他の裏課の奴らが追ってくるかもしれん」
笠井「お、おう」
・・・・下呂さん。
君は、俺達の味方だよな?