犬村 湾という男 (7/9)
【クレーム処理課】
笠井「はぁ....やっと帰ってこれたぜ....」
鷲宮さんは.....っと。
あれ?どこかに出かけてるのか?
笠井(トイレかな....。ま、いいか。俺は仕事を.....)
と。
俺がパソコンの電源を入れたと同時に
課長「笠井君!笠井君、ちょっと!」
課長に大声で呼び付けられた。
相変わらずデカい声だな、全く。
笠井「はい....何でしょうか」
課長「おぉ、笠井君!どうだったかね?特別指導室は!」
笠井「はぁ....まぁ、口頭で注意されただけで特にペナルティは無かったです」
課長「そうか。それは....よかった。・・・・ところで話は変わるが今、鷲宮さんを営業課に行かせている」
笠井「・・・・はぁ。それが?」
課長「いや、営業課は複雑な場所にあるもんだからね?もしかしたら超絶可愛いマイエンジェル鷲宮さんが迷ってしまっているかもしれん」
笠井「・・・・・・・・・・・・はぁ」
課長「って事で、鷲宮さんを探しに行ってくれたまえ」
笠井「は?え、ちょ....い、嫌ですよ!今帰ってきたばかりなのに何でまた.....」
だが、相手は課長だ。
ジロリと鋭い目付きで睨まれれば俺に反抗する術は無い。
大人しく頭を縦に振るしかないのだ。
課長「頼むぞ、笠井君。あと鷲宮さんが使ってるリップクリームをくれ」
笠井「・・・・はぁ。わかりました。行けばいいんですよね。行けば.....」
こうして俺は
笠井「鷲宮さぁん....どれだけ俺を困らせれば気が済むの.....?」
鷲宮さんを探しに
再び迷宮の様な社内に一歩を踏み出したのだった。