犬村 湾という男 (4/9)

ーその頃ー

ここは特別指導室。


笠井「じゃあ、昼ヶ丘さん....あなたは俺をクビにすると?そういう事ですか」


昼ヶ丘「・・・・ダメね。あなた本当にダメ。クビにするなんて....そこまで言ってないわ。それに....私にそんな権利があると思う?」


笠井「そ、そうですよね....。あなたに俺をクビにする権利なんてあるワケないですよね。あはは....」


昼ヶ丘「あるけどね


笠井「あるの!?



下呂「くっぷ。そりゃありますわよ。だって、昼ヶ丘さんは......」


昼ヶ丘「下呂さん?それ以上は喋ったらダメよ?」


下呂「くぷっ。ゔぼぇ!私としたことが....喋りすぎてしまいましたね」


笠井「・・・・・・・・え?な、何の話....」



昼ヶ丘「とにかく!あなたは部下に対してもう少し厳しく接する様に!それが自分自身の成長にも繋がるわ!はい、話は以上!出て行ってよし!」


笠井「えっ?お、終わり?何か....その.....ペナルティとかは?」


下呂「何?あなたペナルティを受けたいの?うっぷ。ドMね」


笠井「違う!そういう意味じゃ....おい!そのゴミを見る様な目をやめろ!」



昼ヶ丘「あぁ、もう!いつまでもグダグダうるさい男ね!マイナス100点!!私が出て行けと言ったら大人しく出て行け!早く!」


笠井「わ、わかりました....。し、失礼します.....」




そう言って俺がドアノブに手をかけた時

背後から昼ヶ丘さんが呼び止めた。



昼ヶ丘「あぁ、そうだ。あなた今藁人形2体目だからね?もし3体目になったら.....」


笠井「・・・・・・・・なったら?」



昼ヶ丘「プチッ☆だからね?」


笠井「プチッ!?ちょ....プチッて何ですか!?ねぇ!ちょっと!プチッて.....」


昼ヶ丘「いいから出てけっ!私はこれから下呂さんと大切なお話があるんだから」


そう吐き捨て勢いよくドアを閉められた。


残ったのは、静まり返った空気と



笠井「・・・・・・・・帰ろ」



疲れた表情を浮かべる俺だけだった。