犬村 湾という男 (3/9)

【営業課】


犬村「さぁ、着いたぞ。ここが”営業課”だ」


鷲宮「・・・・・・・・・・・・」


な....何だここ.....。



何かめちゃくちゃ動物のヌイグルミ置いてあるうううううう!!

凄えファンシーでプリティな空間じゃねぇか!!

地味なクレーム処理課とは大違いだな!遊園地かよ!!


しかも.....


『あ、この資料を企画課にお願いします』


『ごめーん。これコピーお願い。大至急ね』



鷲宮(皆動物の被り物してる!!)


な、何この集団!この課の決まりなの?


犬村「で?君は何の用で営業課に?」


鷲宮「あ、えっと....この資料を.....」


犬村「あぁ、それはご苦労。すぐに猫山課長にお渡ししよう」


鷲宮「ね、猫山課長?」


犬村は相変わらず短い後ろ足でチョコチョコ歩くと、何やら社員の人と話していた。



暫くすると.....



犬村「こちらが猫山課長だ」


猫山「あらぁ♪美人さんねぇ。何だか猫被ってそうな子だけど


鷲宮「・・・・・・・・・・・・」


やっぱり猫だったああああああああああ!!


しかもこの人....身長でか!!

私も女にしては大きい方だけど....それにしてもこの人でけぇ!!


鷲宮(・・・・この人も被り物なのかな。よくできてるけど)


鷲宮は何気無く猫山の耳を引っ張ってみた。



猫山「い、痛い痛い痛い!これは被り物じゃニャいわよ!もうっ!


犬村「ちょ、何をしているんだ君は!無礼な奴め!!」


鷲宮「それ自前だったの!?顔だけ本物の猫って....えぇ!?ど、どんな構造なの....?」



犬村「さぁ、資料は受け取ったのだから君はもう帰ってくれ。俺達は忙しいんだ」


猫山「そうなのよ。また遊びましょ♪今は猫の手も借りたい程忙しいから♪



鷲宮「・・・・・・・・・・・・」



お前が言うなよ......。