企画課の噂の問題児 (2/11)
笠井「ここが企画課だな」
鷲宮「おい、何だこりゃ?何でこの課は壁に囲まれてんだよ」
確かに。
企画課の周りは厳重な黒い壁で覆われていた。
まるで何かを守っているかの様に。
笠井「まぁ、いい。早く書類だけ渡して戻ろうよ鷲宮さん」
鷲宮「・・・・なぁ、何か変な臭いしねぇか?」
笠井「変な臭い.....?」
と、その時。
社員C「・・・・ぶはっ!げほっ!し、新鮮な空気だ....!」
壁の一部が開き、中から企画課の社員と思われる若い男が飛び出してきた。
笠井「だ、大丈夫です.....か!?おぇぇ!くっさ!」
その社員から漂う猛烈な刺激臭。
何だこの臭い....酸っぱい様な....何とも言えないこの臭い。
鷲宮「うわっ。確かに凄ぇニオイだ。さっきの臭いの正体はコレか....」
社員C「あ、アンタら....どこの課の者だ?何にしても企画課に来るなんて勇気がある奴だぜ....」
笠井「この厳重な壁....一体中で何を守っているんですか?」
社員C「・・・・守ってる?教えてやろうか、他の課だよ。他の課を守ってんだ」
鷲宮「他の課を?何でそんな事.....」
と。
「あら?何をしているのですか?こんな所で」
壁の中から黒髪の清楚な女性が出てきた。
まるでどこかの令嬢の様だ。
社員C「ひぃぃ!もう勘弁して!!限界だ!アンタの臭いには!」
笠井「臭い.....?ってか.....」
この人くっさ!!
鷲宮「うぉぉぉ!!くっせぇ!鼻がイかれちまう!!」
そう。
彼女の周りは常に悪臭。
「失礼ですわ。私がクサイなんて....くぷっ。くぷぷっ」
彼女は問題児枠の内の1人。
「くぷっ。うっぷ。うっ.....ゔおえええええええええ!!」
企画課、問題児。
下呂 嘉賀音(ゲロ カガネ)