5人.....目... (11/23)






そう、あれは俺が
姉ちゃんに質問をした日。



「姉ちゃんはなんで
天神高校に行きたいの?」

俺は興味半分で質問を
投げかけた。



「だってね!天神高校よ?
小学生のころからの夢だった。
県内で1番頭がいい高校で
ここで沢山勉強して
将来、世界中の人達のために
何かやってあげたいって。」




姉ちゃんは笑顔で俺に答えた。
その笑顔はキラキラしていて
この夢の為に今まで努力
した人でないと言えないような
自信や希望に満ち溢れていた。






「すげーな。いい夢!
でもなんで世界中の人のために
何かやってあげたいって
思ったの?」




俺はまた疑問をぶつける。




「小学生の頃ね、
テレビで世界の状況を
発信している番組があってね
そこには食べ物がなくて
困ってる人達や医療設備が
十分に備わってなくて
苦しんでいる人達の姿があったの。
それを見てなぜか
助けてあげたいって思った。」




姉ちゃんは懐かしそうに
昔の自分を思い出している。




「たぶん、小学生だったから
衝撃を受けたんだと思う。
一時期、栄養士や保育士に
なりたいって思った事もあった。
だけどその夢はすぐになくなって
いつも浮かぶのはあの子供たちの
瞳だった。
綺麗な瞳....。」




俺は姉ちゃんの
次々出てくる言葉に
感動しながらも俺より2年
生きているだけの大人な
意見だなと思った。





「だから私は決めたの。
あの子達を私の手で
助けてあげたい、
少しでも幸せになってほしいって。
だから天神高校に行って
そこから一流大学に行って
その方法を探したいの。」



姉ちゃんはそう言った後
急に怖い顔になった。