あなたが第二号です (3/15)
「俺はもう一回飲んでくる」
親父がバタンと部屋をあとにした
すかさず
「桜っ。でておいで。」
そっと声をかけると、
ガラガラと小さな音がした。
「お兄ちゃん。
桜こわいよ。今日は殴られない?」
桜の怯えた目が俺をうつす。
俺は決めていた。
高校一年になったら
絶対この家をでていって
やるって。
そして、桜と幸せに暮らす。
まあ、まだ3年後の事だが。
「桜。少しだけの辛抱だ。
絶対お兄ちゃんが守るから。
だから桜は大丈夫だよ。」
妹の桜を安心させるため
そういう。
大丈夫だ。
お兄ちゃんがついてるぞ。