ようこそこの世界へ (13/20)
「......?ここは?」
目を覚ますと見慣れた私の部屋。
「芽~衣!
遅刻するわよ~」
一階からいつも通りの
お母さんの声が聞こえる。
「やっぱりさっきのは夢?」
そんな独り言をぶつぶつ
言いながら学校へと向かった。
ガラッ
私が教室に入るといつものように
一瞬だけ静まって
またいつもの騒がしい教室に戻る
私は空気なんだよな。
誰からも見えない、空気。
私の席につくと見慣れた落書き。
ほら、やっぱりここは現実だ。
汚い汚い現実だ。
「ね~芽~衣~♪
私ね将来、美容師になることが
夢なのっ!」
テンションがなぜか高い杏奈が
私の元へやってきた。
ハサミを持って。