ようこそこの世界へ (12/20)
な..なんで私の名前を?
私、まだ自己紹介してないよ!
あ、でもここは私の夢の中。
しっていて案外当たり前なのかも
しれない。
急に冷静になった私の頭の中に
襲いかかったのは
今日寝る前にすんごく恨んだ相手。
杏奈。
「わ..わたしの1番の友達だった、
杏奈....あの女を許さない。
みんなからいじめられればいい。」
憎しみが体中から
ムンムン出てくる気がした。
「了解です。
あなたの望みは
‘‘杏奈をいじめられっ子にする’’
ですね?」
そう冷静に言い、
静かにまた何かをしゃべりだした。
「今から言う事を
よく聞いてください。
今回のあなたへの条件は
‘‘無視’’です。」
「無視......?
杏奈と喋るなってこと?」
まだちんぷんかんぷんな
私はそう聞いた。
「いいえ。あなたのクラスメイト
全員と口を聞かない事が条件です」
「では頑張って下さいね♪」
パァァァァァァァァーーーー
急に辺りが真っ白に光輝いた。
私は意識がなくなりつつある中で
小さなはっきりとした声を聞いた。
「夢ゲームは人生で一度切り。
成功したら幸せな未来が、
失敗したらこの先地獄よ?
せいぜい頑張って。」