6人目の人はどんな人? (30/38)
「実は俺ん家、親が離婚してて
今は妹2人と俺と母親で
生活してるんです。
父親は酒ばっかで仕事も
しなくて別れたんで
お金もいれてもらえなくて
母親の仕事だけで食べてました。
でも1ヶ月前急に母親が倒れて...」
下を向く敬太君。
「そして今はずっと入院してます。
だから俺がバイトとかしないと
妹達の面倒も見れなくて困ってて
そしたら友達からこのバイトを
紹介されて.....バイトしてました。」
一通り話を聞いて
なんとも、言えないような
気持ちになった。
「学校に内緒でバイトを
していたことは謝ります。
本当にすみませんでした。」
敬太君が私に頭をさげる。
「そ..そんな私に謝らないで
下さい...。頭をあげて?」
敬太君が頭をあげて私を見る。
一生懸命で妹達のことを
すごく真剣に考えている瞳。
私はどうしたらいいんだろう。
このままバイトを続けていかないと
敬太君達のお家が危ない。
だからと言ってそのままに
しておくわけには
いかない。
「先生?」
ずっと頭を抱えている私に
彼は問いかけた。
そして
「そんなに悩まないで下さい。
俺が悪かったんだから
きちんとバイトはやめます。
だからそんなに悩まないで?」
敬太君は困ったような
優しい笑顔で私に言った。
敬太君がバイトをやめたら
これからどうすんだろう。
そのことばかりが
頭いっぱいに広がる。