椎名書店
囁く両手 (20/21)
絶望的に天上を見上げる。
猫達が二階を走り回ってる音が聞こえた。
きっと千明を待ってる。
きっと待ってる。
読みかけの漫画。
吸い殻が入ったままの灰皿。
千明の痕跡がちらほら残る店内を見渡す。
ふと、レジ下の引き出しに目をやる。
何かを思い出すように引き出しを開けた。
「あ………」
あの日渡された
あの男の電話番号
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