ストーカーLevel5 (5/12)
「美月、SHR終わったよ」
「…気づかなかった」
「美月ってさあ、たまにそういうとこあるよね」
クスリ、と真理子が笑う。
やっぱり綺麗な顔には微笑が似合う。
「真理子ってつくづく思うけど、美人だよね。どうして彼氏がいないのか不思議」
「黙れ」
「こわいです真理子さん」
「てか、美月が付き合ってるからって嫌みかよww」
「こんなの、付き合ってるうちに入んないっつーか」
「付き合ってないの?」
「………うーん」
「うわ、なにその微妙な返答w」
本当にどうなんだろう。
沖谷はあのとき付き合ってとか言ってたけど、私もよくわかんない感じで流されただけってゆーか…
「青山さん」
「ん?…なんだ、沖谷か」
振り返ると、にこにこした沖谷が立っていた。
「ひどいなぁ」
内心ハァハァ言ってるのが、手にとるようにわかる。
顔が、もう、なんか、M。
普段は隠してるみたいだけど、時折一瞬だけ見え隠れする。
よくもここまで素顔がバレないでいられたものだ。