ストーカーLevel5 (4/12)
「あれ、そういえば佳奈は?」
ふと顔をあげると、さっきまで佳奈が立っていた場所には誰もいなくなっていた。
「高橋さんなら、今教室に戻っていったよ」
沖谷が相変わらずの爽やかスマイルで答えた。
「ふーん」
私が相槌をうつと同時にチャイムがなった。
「美月、もうすぐSHR始まるから座ろ」
「あ、うん」
私は急いで窓際の席についた。
ふと空を見上げる。
あ、曇ってる。
学校に来るときは晴れてたはずなんだけどな。
SHRが終わるまで、私はずっと空を眺める。いつしかそれは、日課になっていた。
「雨降りそう。晴れてくれないかな」
思わずひとり呟く。