ストーカーLevel16 (13/25)
………と、いい感じに走り出したはいいけどさ。沖谷はどこですか。
まあとりあえず電話だ、電話。
携帯を取りだして沖谷に電話をかけてみる。
沖谷に自分から電話をかけるなんて、これが初めてかもしれない。
美月「…………………」
あれ、
美月「私、本当に何も…」
ふと思った。
今まで何も、私からしてないんじゃないだろうか。いつも、いつだって、沖谷は私に全てをくれていたのに。
それなのに、いやそれだから、私はただ立っていただけだった。その場所から一歩も動かずに。
考え始めると、過去の記憶がグルグルと頭の中を回りだす。
それに追い討ちをかけるように、繋がることなく耳もとでなり続ける機械音。
ああ、なんだか。
私は沖谷の考えてることが、ほんの少しだけわかった気がした。
静かに電話を切って、そのまま携帯を握り締める。
多分、この電話に沖谷は出ない。