推理~多重人格者~ (18/21)
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3月10日
頭の整理が出来てきたので久しぶりに日記を更新しようと思う。
6月10日のあの日。
僕は夜中に父の怒鳴り声で目を覚ました。
続いて母のすすり泣き、謝る声が聞こえてきた。
僕が眠い目を擦りながら上体を起こしたそのときだ。
母のすすり泣きは、一瞬の叫びの後聞こえなくなった。
僕が隣の部屋の扉を開けた時にはもう遅かった。
母はこちらに白眼を向けて息途絶えていた。
父はその後ろでロープを握りしめ、力いっぱい引っ張ったまま、こちらを見ていた。
僕の中で何かが切れる音がして、アキラが生まれた。
父を殴り飛ばしロープを奪うと、馬乗りになって父の首をロープで締め続けた。
やがて父は、目玉が上にぐるんと回転し、舌がだらんと口の外へ伸びきった。
僕の怒りの感情がアキラを生み出した。
その結果が殺人だ。
父は死んでも仕方のない人間だと思う。
でも、僕が父を殺したこの体、この手はあつしのものだ。
すまない、あつし。
だがもうわかっているとは思うが、僕は捕まっていない。
僕は利口だ。
幸い目撃者もなく、凶器がロープだったこともあり自殺に見せかけることができた。
そして僕は数日後に親戚の家に引き取られることが決まっている。
この事実をあつしが知るとき、混乱することは間違いないだろう。
しかし、無責任ではあるが、これはあつしの人生だ。
事実を知り、その後どうするかは
あつし
君が決めてくれ。
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僕の人生。
両親は自殺。
僕は一体どうすれば。
僕は
僕は
そして日付はゆっくりと移り変わった。