推理~多重人格者~ (1/21)
「う、うぅ…」
僕は頭痛を感じながら目を開く。
気が付くと目の前には学ランを来た不良らしき男が三人倒れていた。
またやっちゃったのか…。
ため息をつきながら倒れている不良の一人に話かけると、そいつは慌てて走り去ってしまった。
他の二人も怯えながら続いて後を追う。
大分手荒にやってくれたみたいだね。
おかげでまた外を歩きづらくなったよ。
『なぁ、アキラ。』
僕は胸に手を当てて心の中で問い掛ける。
……………。
返事はない。
アキラは答えちゃくれないのか。
『アキラ兄ちゃんは今居ないよ。』
元気な男の子の声が割り込んで来る。
『そっか…。それじゃ、アキラが何をしたか教えてくれる?』
僕はまた胸に手を当てて話し掛ける。
ちなみにこの子の名前はユウキ。
多分小学生くらいだと思う。
『不良の人達をやっつけた。』
『それだけ?』
『それだけだよ。』
…なら、まだいいか。
財布とかを盗ったりしてなくてよかったよ。
僕はホッとして胸から手を下ろした。
記憶が残ってるのは不良と肩がぶつかったところまで。
そこからの記憶はない。
気付いたら不良が目の前に倒れていたんだ。
そう僕は
多重人格者だ。