推理~学生~ (5/12)



一時間目も二時間目も私は耳を澄まして回りの声に集中した。




あのサイトの話をしているやつはいないか。




私の愚痴を言っているやつはいないか。




少しでも情報が得たかった。




しかし、決定的なことを聞くことは出来ずに三時間目も四時間目も過ぎて、昼休みになった。





昼休みになるとすぐになっちんが駆け寄ってきた。



そしてその後ろから比較的仲の良い女子が四人。



「ご飯食べよー。」



なっちんは笑顔で机をくっつけて弁当を広げる。


他の女子も同じ行動をとる。




私はなっちんと二人のほうが楽でいいんだけどな。




しかし、そんなことを言えるはずもなく私も笑顔で机を寄せて弁当を広げた。





そして他愛のない会話をしながら弁当のおかずを口に運んでいく。





ああ、何だか幸せだ。



誰に愚痴を言われてるか知らないけど、私には仲の良い友達もたくさんいる。



そんな友達がいれば、愚痴を言われてもどうでもいいかなと、少し思った。






「次沢田の授業だね~。」



一人の女子が呟く。



そしてそれは伝染するように一気に話題になった。



「沢田うざいよね~。」




「まぢキモい!!あたし保健室行ってようかな~。」



私もそうだねと相槌を打つ。




「うちあの体罰教師に仕返ししてやるし!」




私は一人のその言葉にぴくりと反応した。






『体罰教師に仕返ししようぜ!』



昨日のカキコミが頭を過る。





あのカキコミをしたのはまさか……?




彼女の名は、みか。




昨日沢田にたたき起こされた張本人だった。