先生のヒミツ (15/25)

またいつもの体調不良かと、楽観的に考えていたのですが……

その日の欠席を境に、彼女は学校に来なくなりました。


連絡はつかず、彼氏である楢崎君ですら所在がわからないという始末でした。

もちろん彼女の家に出向きました。

小さなアパートの一室。


白神家は、もぬけの殻となっていました。

郵便受けには請求書の類が山のように突っ込んでありました。



ずいぶん前からここには住んでいなかったんだと判明しました。



「最近家まで送られるのを嫌がる」

楢崎君がそう言っていたのを思い出しました。






彼女が行方不明になった事を受けて、楢崎君はもちろん、地村君も酷く落ち込んでいました。



地村君は何か大きな責任を感じている様子でした。
彼女が消えてしまったのは自分のせいでもあると自責の念に囚われていました。



私も悲しみが深かったです。
どうして何も言わずに行ってしまったんだろうって……


あれほど仲良くなれたのに、困った時に助けてやれないなんて教師失格です……

彼女の親友失格です……




彼女が学校に来なくなった理由は「転校」という事にして収められました。





なっちゃんが妊娠していた事は、私だけの秘密でした。

私が話せるのはここまでです。






大貫さん、私も彼女の行方を知りたいです……

彼女を見つける手掛かりを少しでも提供出来れば幸いです。

包み隠さず話しますので、何でもおっしゃってください。




はい、いくつか質問ですか……

楢崎君のその後ですね、すぐに確認して参ります。

少々お待ちください。