女の友情 (26/26)

みのりは、一昨日の夜、レイプされかけたっていうのに……

デートを楽しむ気持ちになれる彼女が理解できなかった。


それと同時に悔しかった。
もしも私がみのりを助けていたら……


後悔の念が押し寄せる。


どうして私はこんなに不運なの……



私に比べて甘橋さんは、運がいい。
みのりを助けて、デートに誘われて……



甘橋さんが仕組んだんじゃないか、などとくだらない妄想が浮かぶ。

誰かにみのりを襲わせて、そこを自分が助ける。



私は頭を激しく左右に振った。



何考えてるんだろ。
以前のみのりみたいだ。

甘橋さんにひがんでる。



もうどうしようもないのに……

なんでこうなったの……



そもそもみのりが、あの道を通ってなかったら……

レイプされそうになったことを彼に話さなかったら……



全ての原因をみのりに擦りつけようとしている自分に嫌気がさした。


これからどんな顔をして、みのりと話せばいいんだろう。

いや、来週からみのりの隣にいるのは甘橋さんかもしれない。




私の胸の中で『何か』が壊れた。
いつもそこにあった『何か』が粉々に砕けた。



その『何か』に名前があるなら、多分それは……












……女の友情。