女の友情 (24/26)

ショッピングモールへ到着した。
息を切らして自転車を駐輪場に停めた。



ショッピングモールの中へ入ると、迷わずエスカレーターに乗った。

レストラン街は二階にある。


私は周囲に目を配る。
若いカップルや親子連れの姿で賑わっていた。

その中にみのりや甘橋さんがいないかを注意深く探す。


みんな楽しそうに土曜日の午後を楽しんでいた。

肩で息をしているのは私だけ。


……私、何してるんだろ。


少し惨めな気持ちになった。



レストラン街はこの時間帯、やはり賑わっていた。

みのり達が昼食を食べていたであろうパスタのお店が見えた。


遠くから様子を伺う。
店内は見えない。


こんな事して何になるっていうの?
私は自問した。

しかし、答えは出ない。



私は回れ右をして、今来た通路を戻り始めた。


……馬鹿馬鹿しい。
自分で自分を惨めにしてるんじゃん。


下りのエスカレーターに乗ろうとした時だった。


下の階に男女の姿が見えた。
間違いなく、みのりと清瀬さんだった。