女の友情 (4/26)
その日の午前中、みのりが担任の先生に呼び出された。
心当たりのない彼女は首を傾げて教室を出て行った。
そして数十分後、みのりは肩を怒らせて教室に帰ってきた。
「どういうこと!?あたしが金本を呼び出したってことになってるんだけど」
「え?呼び出したって?」
みのりを落ち着けるように私は尋ねる。
「金本のカバンの中からメモが見つかったって……」
みのりの話を要約するとこうだ。
『放課後、6時に教室に来てください。話したいことがあります。待ってるね!佐々木みのり』
という旨の手紙が金本のカバンの中から発見されたらしい。
彼女に心当たりはない。
さらに言えば、みのりは私と一緒に帰った。
みのりが帰宅後に再び学校へ戻っていないことが証明できれば、彼女は無罪だ。
「誰なのこんなイタズラする奴」
みのりは教室に響く声で言った。
もちろん誰も答えない。
誰かが仕組んだんだろう。
みのりが騒ぎ出すのも計算の内だったのだろうか。