探偵部 その後 (2/3)
学校は2週間休校となっていた。
燃えて破損した部分が修繕されるまで全校生徒が自宅自習というわけだ。
もちろん自宅でおとなしくしている生徒などほとんどいない。
日村もそんな生徒の1人のようだ。
彼は駅前の本屋さんで、小説を物色している。
探偵部が解散してからしばらくが経つ。
部員は日村1人となり、実質廃部状態。
2人の先輩がいなくなった寂しさを埋める、面白い小説を探しているのだろう。
しかし、小一時間ほどを本屋で過ごしているが彼の目を惹くものは見つからないらしい。
諦めて帰ろうと、彼は顔を上げた。
その時、小説が置かれているコーナーに誰かが足を踏み入れてきた。
「あ……」
日村に気が付いたらしく、その人物は口を半開きにした。
探偵部の先輩の1人、山科だった。
「先輩、何してるんですか?受験勉強は……?」
日村は当然の質問をした。
「あ、いや~参考書を探しに来ててさ!」
山科は頭を掻きながら答える。
バレバレの嘘だ。
「参考書ですか?ここ小説のコーナーですけど」
と日村はムヒヒと笑いをこらえる。
「……まあ、な。息抜きだよ」
山科が白状したところで、満を持して僕は本棚の陰から「諸君!」と言いながら2人の前に登場した。