探偵部の活動日誌 (14/16)
日村いわく、一時限目の授業が終わり、手筈通りビラを貼ろうとしていたらしい。
そこに金本という生徒がやって来てビラを取り上げたという。
「おいデブ村。なんだよこれ」
そう言って金本はニヤリと笑った。
「あ、いやそれは……」
言い訳が思いつかず、うろたえる日村。
それを見て金本は嬉しそうに笑った。
「なになに、白神 奈子。誰だよ、妄想の中の彼女か?ハハハ!」
金本は意地悪く笑うとビラを真っ二つに破いたのだ。
「ちょっ……やめてくれ!」
「ブヒブヒ喚くなよ!これでも食ってな」
金本はさらにビラを破ると、日村に向かって投げつけた。
バラバラになったビラの残骸がひらひらと舞い落ちる。
教室にいる他の生徒は見て見ぬフリ。
そして、日村は探偵部のLINEにアクシデントを報告した。
以上が今朝の顛末だった。
日村を助けに向かった篠崎が、教室に漂う雰囲気に違和感を感じた。
その違和感の正体は、日村がいじめられているのでは……
というものだった。