橋本 桐香 (9/63)

金 麗(きむ れい)は、韓国と日本のハーフだった。

なまった口調、
そしてまるーい形をした黒縁メガネが

より一層ブスを際立てていた。



「きーーーむちゃん
今日はどこで遊ぼうか?」

私は毎日彼女を脅した。


金は震えながら黙っているので、

その臆病な態度にますます苛ついた。


「なんとか言えよクズ!」


私は金の髪を引っ張り、何本か引き抜いた。

「ったぃ……」

かわいいと思っているのだろうか?

うぅ、という聞き苦しい声で喘いで
「すみませんでした」と連呼する金。


「は?キモ。許さない。放課後は体育館倉庫かなー?」

「やっやめてください…」

「ねー唯、昌子。コイツ逃げないように連れてきてね?」

「はい、桐香様!」