金 麗 (16/62)




「わり……橋本の野郎に誘われて、
あいつと映画行かなきゃいけなくなった」



……なんで。

なんで断らないの。

私のことはどうでもいいわけ?



そんな事は言えなかった。

「そっかぁ残念だな!いってらっしゃい!」と明るく返事をする。



……私のためなんだから。

そう言い聞かせて、私は用意していた服をクローゼットにしまった。