金 麗 (61/62)
《直井 翔side 》
なんで俺は今走っているんだろう。
彼女を傷つけた奴に復讐をして
なんでそいつの元に……
「桐香!!!!」
「翔……?!」
「やっぱりまだここにいたか」
「なんでっ……また懲らしめにきたの?」
俺は無意識に桐香を抱きしめる。
「ごめんなっ……桐香」
「なんで……………………」
桐香の身体からは血の臭いがする。
何回も涙を流したのだろう
顔には赤く染まった涙の跡がついている。
「とりあえず……消毒持ってきた」
「だからなんで……」
「好きになっちゃったんだよ」