金 麗 (59/62)




「え?」

そこにいたのは買い物袋を提げた翔のお母さん。

あー、体調悪いのはお父さんの方か。


「お父さん大丈夫ですか?」
「え?なにが?」

「えっ……翔が、親の具合が悪いって」

「全く?元気モリモリよ~?
嘘をついているのかしらね?」

「あ、そうですか……ではまた!」



私は返事を待たずにドアを閉めた。

嫌な予感がしていた。


《金 side end