金 麗 (58/62)
そのあと
翔は私の家に来た。
大量のメロンパンが入った紙袋を提げて。
「ハッピーバースデー麗!!!!」
「ありがとう翔! 」
「これ……購買のメロンパン買い占めたんだ
麗 喜んでくれるかなーって」
「え……!嬉しいっ……!!」
私のために買い占めしてくれてたなんて…
「あー、でも一個売り切れた後に買い占めたから全部じゃないけどな、わりい!」
「い、いや全然……」
知ってるから。
一個売り切れたんじゃなくて 橋本用に買っていることを。
「それで、これも」
翔は私に ピンクのハートのネックレスをつけてくれた。
「かわいい……!」
「ほんと?よかったーー。男の趣味じゃよくわかんなくてさ
似合ってるよ麗」
「ありがとう翔!しあわせ!」
翔は私の頭をぽんぽんと叩く。
「俺、今日用事あってさ 長居できないんだよね、もう出なきゃ。ごめんな…」
「なんの用なの?」
毎年うちのパーティに参加してくれてたのに。
「親が体調悪くてさ。
ごめんな」
「そうなの?お大事に…」
「うん、ほんとおめでとうな!
これからもよろしくな、麗!んじゃっ」
翔は急いでダッシュして出て行く。
翔の親、大丈夫かなぁ……
と 外の景色をぼんやり見て ドアを閉めようとしたその時だった。
「あら?麗ちゃん!」