金 麗 (55/62)
「えっと」
今だ。
みんなが一斉に画鋲を手にして橋本の方に投げる。
まぁほとんど黒板に当たって落ちていくけれど、的中するものもあった。
「ちょっ……なにっ……ったい……」
橋本は、逃げようとしどろもどろするが、行く先に画鋲があって動けもしなかった。
「いいよもっと投げて!」
私は快感だった。
団結の力。グルになる力。
あいつの過去を真似してやった。
確かに過去のあんたは楽しかっただろうなぁとニヤニヤが止まらない。
「なんっで……たま…き……ったい」
たまちゃんも笑顔で画鋲を投げている。ストレス発散であろう。