0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (82/91)
品川ゼロは、まだ18歳のフリーター。
始まりはある日、ジュリアがリュウオウ様の命令で1人の医者とSCMの勝負をしたの。
フリーSCMであるその医者に、ジュリアが勝負をしかけたんだ。
医者の趣味はチェスだった。チェスの大きな大会で優勝した経験があるのは、下調べで分かっていた。
こちらが勝負を仕掛けた場合、あの医者は高確率で勝負の題材をチェスにすると予想していたの。
けど、医者が提案した勝負は将棋だった。医者は裏をかいて、あえて将棋にしたんだ。
もちろん、それだけ将棋の腕は確かだった。ジュリアは将棋もチェスの経験も、ほとんど無い。
チェスが勝負になることを想定していたリュウオウ様は、ジュリアの服にCCDカメラを仕掛け、練馬会長の時みたいに髪で隠したイヤホンでリアルタイムに指示をしてくれた。
医者が将棋を勝負にしたのは予想外だったけど、チェスと将棋が似た形式のゲームだったのが良かった。
リュウオウ様は初めから医者とジュリアを、まともに勝負させる気なんてなかったんだ。
ジュリアに仕掛けた細工を使って中継し、リュウオウ様がパソコンで激強に設定したCPUに将棋をさせたの。
それを遠隔からジュリアに指示し、ジュリアはリュウオウ様の言う通りに将棋を打つ。
医者が将棋をした相手は、ジュリアでもリュウオウ様でもない。
高速演算のコンピューターだった。