0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (75/91)
「ごめん 親戚の家だから あんまり携帯使えないんだ」
実際、セイヤからのメールはシカトしていた。何て返したらいいか分からないのもあったけど、返した所で何も変わらないから。
目の前で今にも泣き出しそうなセイヤは、まだジュリアがリュウオウ様の奴隷である事を知らない。
会いたいってメールが来てもなんか怖くて、てっきりジュリアの事がもう嫌いなのかと思ってた。
けど、改めて会ったセイヤの様子は何か違った。
優しいっていうか、まるでジュリアをもろいお豆腐みたいに扱う感じ。
そんな大切な扱いをされても、今更何も変わらないのに。
「ジュリア」
「はあい?」
セイヤはゆっくりとジュリアの手を取る。
「あ ゲームする?」
ジュリアの提案に、セイヤは優しく微笑む。
「ああ ゲームをしよう」
来た。
「手を離したら負けだ」
こんなにあっさりと、しかもセイヤから勝負が申し込まれるなんて。予想以上に、うまくいくかも。
セイヤの手を、両手でギュッと握った。