0015 台東 フジコ (56/58)
職員室で挨拶を済ませ、全校生徒が参加する朝礼でも挨拶をする。
月曜日の朝。
体育館に集められた全校生徒。
テレビやドラマで見た事がある、大勢の生徒達が整列している様子が視界に映る。
この中に赤反応や黒反応がいるのね。
私が前に出ると、生徒達からはヒソヒソと物珍しそうな話声が聞こえた。
「静かに」
教頭先生がマイク越しにそう言うと、体育館はシーンと静まりかえる。
「この度 皆さんの学校で 養護教諭として皆さんの健康をまかされました 台東フジコです」
私はさらに簡単な挨拶を続け、最後に「よろしくお願い致しますね」と言う。
すると生徒達から拍手が聞こえた。
結構歓迎されているみたい。
茶髪の男の子や派手なメイクをした女の子もいるけど、イメージよりも不良っぽい生徒や、変わった生徒は少ない。
第一印象は大人しい生徒が多い高校って感じね。
刺激を求めて常軌を逸した事をしてきた私みたいなビッチが、高校で保健室の先生になった瞬間だった。
人生って不思議。
SCMって面白い。
私は改めてそう思う。
シンノスケに会った時のみやげ話がまた増えた。
初出勤から数週間は、前任の養護教員との引き継ぎ業務が主だった。
パソコンデータの基本的な扱いや、保健室の勝手を聞いている中、私は別のことを考えていた。
ジュリアが今までに得た黒反応の情報は、ほとんど無い。