0014 大田 ユウガ (60/60)
不思議と、屈辱感は無かった。
今日はたくさん負けた。
僕はここから新しいステップを踏んで、生まれ変わる。
反省したんだ。素直に。
謝罪の気持ちから、感謝の気持ちすら感じる。
ごめんズシオウマル。
ありがとうエイア。
それにアヤカ。
は今いないし、まあいいや。
「ハハ」
僕は頭を下げたまま笑っていた。
何か爽やかなものを感じながら、顔を上げ、エイアの顔を見る。
けど、エイアの表情を見た僕は凍りついた。
頭上のエイアは、炎を見る少女の様に恍惚(こうこつ)と笑っていたんだ。
「クウン」
ズシオウマルも、不安そうに彼女を見ている。
僕が見せた、和んだ笑顔とかじゃない。
自然に開いた様に見える口は、頬を歪ませた不気味な笑顔。
見下した瞳のエイア。
僕は不意に、自分や台東、それにセイヤを奴隷にした頃のアヤカを思い出した。
奴隷が作れるSCM。
寄生虫の様に人の脳に取り付く機械。
人間の尊厳を無視し、価値観をぶっ壊す。
SCMは人を変える。
僕や台東、リュウオウですら比じゃない。
何か得体の知れない悪魔の様な不吉を、僕はエイアの笑顔に感じていた。
エイアも奴隷を手に入れて、変わっていくのか。
僕ですら、エイアの行く末を想像できなかった。