0014 大田 ユウガ (42/60)
「私の話も気になるけど そろそろ行くわ」
え?
「分かった」
目黒の返事の直後に僕が口を開く。
「おい 僕との勝負は?」
「心配しないで 対戦者の目黒さんは残るから」
そういう問題じゃない。
「休みが今日と明日しか無いから 忙しいの」
休み。仕事の事か。
いや、そういう問題じゃないってだから。なんて身勝手なんだ。
「ね もっと大田さんと話がしたかったんだけど」
台東は僕と話しながら忙しそうに何かの準備をしている。
バッグをまさぐるようなゴソゴソとした音が聞こえた。
「新しい奴隷が増えたの」
新しい奴隷。
そういえば台東にはもう2人、奴隷がいた。
そいつらも別で行動し、勝負をしていたのか。
「あなたも知っている人よ」
嫌過ぎる予感がした。
「誰を 」
僕の疑問に台東の動きと声が一瞬、止まる。
「豊島アヤカさん」
その名前で僕の思考が止まった。
「お前 」
普段は女性に対しての言葉使いは気を付けているけど、僕は思わず台東をお前と呼んだ。