0004 目黒 マサカズ (9/29)

座った台のデータは、今日は当たり無しのちょうど100回転目。前日までのデータを見た上では、20分以内でも十分に当たる可能性のある台だ。


隣に座ったルシエの台も見たが、あの台はすでに300回転以上で、前日も出ていないカス台だ。隣から見ていても、子役すら揃っている様子は無い。


おまけに、ルシエの打ち方ときたら。


まずコインをまとめて入れる。それだけならまだしも、1リールごとに止める手がぎこちない。まるでスロットに興味のない彼女が、彼氏を待つ間に退屈しのぎに打つような姿だ。


この女 スロット打ったことないな。


じゃあなぜ、俺にスロット勝負なんて。


ピカッ


うほ!


俺の台の予告ランプが着いた。俺はルシエを見て、ニヤリと笑う。


この予告ランプが着いた場合、100%当たりが確定する。携帯の時計を見ると、まだ開始4分程度。


しかもBIG。大当たりだ。


ルシエは、何回もチラチラと俺の台を見る。


「へへ」


俺は思わず声をもらすが、多分雑音で聞こえてない。リールを適当に揃えていれば、勝手にメダルが出てくる。


メダルが多い方が勝ちなら、ゆっくり打ってもよかったが、まあ余裕だし深い考えはしなくていい。