0014 大田 ユウガ (26/60)
「あなたの対戦者は彼 って言っても見えないわよね」
本当だよ。僕の視界は闇だ。
「電車の中であなたの目の前にいた彼 目黒さんよ」
「よろしくな」
低い男の声がした。
めぐろ。たしかうだつの上がらなさそうな普通の男だった。
どうやらさっき僕の口に指を入れたのは、その目黒とかいう男らしい。
「ちなみに電車の中であなたが私だと思った女性は杉並さん 今この場にはいないわ」
すぎなみ。僕の後ろにいた、僕のケツに注射器を打って脅してきた女か。
「確か もう1人いたよね?」
車を運転していた男がいたはずだ。
「ふふ よく覚えているのね その彼は文京さん 彼も私の奴隷だけど 今この場にはいない」
ぶんきょう。ほとんど思い出せ無いが、大柄で20代後半くらいの男だった。
「あんたの名前は?」
僕は"頭のおかしい人"に名前を聞いた。
「台東と申します」
たいとう。
名字だけだし、真偽は分からないが"頭のおかしい女"の名前が分かった。
目黒、杉並、文京。
この3人が台東の奴隷で、今この場にいるのは台東と目黒か。
名前が多くて混乱するが、今重要なのは目黒という普通っぽい男と、台東という頭のおかしい女だ。
名前が分かっただけだが、少し整理がしやすくなったかな。