0014 大田 ユウガ (24/60)

「証拠は 口を開けて」


僕が思考する前に、彼女はそう言った。


僕は素直に口を開ける。


すると口の中に誰かの指が入ってきた。


明らかに男の指。


今この部屋にはもう1人以上、男がいるんだ。


「あが」


男の指は、僕の口の中のSCMを外してきた。


「着けて」


彼女の声と同時に、もう1度SCMを取り付けられる。


何がしたいのかが分かった。


「私はSCMを着けているのに 鳴らないでしょ?」



アラームが鳴らない。



女はわざわざ、僕の指を口の中に入れて確認までさせてくれた。


女の歯の裏には確かに、SCMが着いていた。


だがその時、違和感を感じる。


SCMを着けている事の確認をさせたいのは分かるが、なぜそこまでして僕の目隠しを取らない?


目視で確認させた方が遥かに手っ取り早いだろ。


「目隠しはまだ取らないけど ちゃんとGPSの反応も消えているから」


まあ見なきゃなんとも言えないけどね。


「勝負は始まっているけど 勝負の内容を思い出せないでしょ?」


確かに思い 出せない。