0013 品川 ゼロ (103/103)

「乗れよおお!!」




リュウオウがさらに怒鳴った瞬間。



ガッ バン!



僕は自分の意識とは関係無しに、突発的に車のドアを閉めました。



そして、まるで異物を吐く様に声が出ます。




「おおれに命令するなあ!」




確かに僕はそう言った。



リュウオウと中央さんの驚いた顔が視界に映った、次の瞬間。



僕は車から逆方向に走り出しました。



逃げろ。戻らなきゃ。逃げなきゃ。



戻らなきゃ。逃げたい。戻りたくない。



ゼロ逃げろ。



頭の中で別の意思がたくさんあって、叫ぶんです。



「うあ うあ」



僕は今にも泣き叫ぶ手前の嗚咽を吐きながら、ただひたすら走りました。



訳が分からない。自分でもよく分からない。



何なんだこれ!何が起きたの!



僕の中に、違う自分がいるんだ!



僕はなんなの!?どうなるの!?



どうすればいいの!!?
 




ゼロ 逃げろ





不意に、あの声が頭で響いた。