0013 品川 ゼロ (99/103)
問題に答えないどころか、ヒントを漏らしたのもわざとだったんだ。
ああ。そうだ。
僕は、始めから1人で戦っていたんだ。
中央さんに対する失望よりも、少年の嘘に対する怒りよりも。
自分の選択の後悔が、今の僕にとって1番大きな感情でした。
「俺も彼の奴隷なんだ」
俺も彼の?
中央さんはタバコを吸い終わり、靴の裏で消しながら少年を見ます。
少年はポケットから何かを取り出しました。
月形の入れ歯みたいな金具。
それはSCMでした。
少年がSCMを口に含み、装着します。
すると、僕の口から『 カチャン カチカチ 』という音がしました。
え?
「彼はリュウオウ 俺達の主人だ」
この少年がリュウオウ。
ああ、少年がリュウオウの奴隷じゃなくて、少年がリュウオウなのか。
この小さな少年が、僕たちの主人。
なんか、もうよく分からない。
頭がとても痛い。