0013 品川 ゼロ (92/103)

かなり微妙な空気ですが、始めに切り出したのは中央さんでした。


「認めよう」


「え いいんですか?」


僕の顔が驚きと喜びで、パァッと笑顔になったのは自分でも分かります。


中央さんは同じ問題が出て、それに解答しても認めると言ってくれました。


「いいも何も 仮にここで認めずに君が負けてた場合 君は負けに納得するかい?」


多分しません。


「しないと思います」


中央さんは僕を挟んで向こう側に座る、少年の方を見ながら続けます。


「さっき弟くんが漏らしたヒントに関しては流したが 今回のコレでおあいこにしたいと思う」


「あ」


中央さんは、少年のヒント発言と、今回の重複問題の件をおあいこという事にしてくれました。


「ありがとうございます」


言われてみれば納得できる流れなので、別にお礼を言う必要はありませんでしたが、僕の口から自然に出た言葉でした。


「まあ対処に困るし 同じ問題が出ても次はお互いナシにしよう」


「あ はい」


ルールを付け加える中央さんに、僕は元気よく返事しました。


中央さんは僕に対して、とてもフェアな勝負をしてくれてる気がします。


ふと少年を見ると、うわ。


なんか複雑な顔をしてる。


そんなに僕の勝ちがうれしくないのか?


なんかもうよく分からない。


今さらだけど、もう少年をアテにするのは止めようと思いました。