0013 品川 ゼロ (87/103)

そこで正解に近付く人と、まったく分からない人がハッキリ別れるんだ。


僕は、何が分からなかったのかが分かったんです。


脳と胸の雨雲が晴れたような、爽快なスッキリ感を感じます。


「短針は15分ぶんだけ 3時から4時に進んでいる」


僕は中央さんの言葉を繰り返しました。


僕がスッキリと理解したのを察したのか、中央さんもわずかに微笑みながら続けます。


「そう あとは簡単な算数だ」


中央さんはライターの火付け石を鳴らすのを止め、指で空中に円を描きました。


「まず円の時計を想像する 円は360度だな?」


「はい」


「そして時計は12分割 12時間を表示している」


「はい」


「360÷12は30 つまり1時間は30度だ」


ってことは、3時から4時の間は30度になるんだ。


「さらに15分は1時間の4分の1 そこでさっきの30度を4で割る」


30÷4。


「答えは7.5 問題の正解は7.5度だ」


「ああ!」


僕は思わず納得の声を上げましたが、中央さんは変わらないテンションで続けます。


「口頭や文章だけだと分かりにくいだろうな イラストで時計を描いたり 実際に手元に時計があれば分かりやすいんだが まあそんなとこだ」