0013 品川 ゼロ (82/103)

携帯を閉じている間はゲームの進行を止めていられるので、携帯を開いてから操作し、中央さんに出す次の問題を表示させます。


「えっと」


中央さんは携帯を閉じ、眼鏡の先から鋭い目を僕に向けて待っています。


画面に表示された問題を読み上げます。



「問題:時計を見たら3時15分でした 時計の長針と短針の間の角度は何度でしょうか?」



問題を読んだ僕は、答えさえ思い着かないものの、なんだか簡単な問題な気がしました。



けれど問題には続きがあったんです。



「ゼロではない」



携帯を見ていたので、よくは分かりませんでしたが、その付け足しの文章で、視界の外れの中央さんの目元あたりがピクリと動いたのを感じます。



問題を読み上げながら、僕は心の中で問題の状況を想像していました。



問題:時計を見たら3時15分でした。


時計の短針と長針の間の角度は何度でしょうか?
(ゼロではない)



頭の中に思い浮かべた時計の、3時15分。



短針と長針は



重なっているのです。



僕の頭で考えたら、答えはゼロ度でした。



けれど、問題には(ゼロではない)という文章が、ハッキリ書かれています。