0013 品川 ゼロ (43/103)

「じゃあ また」


僕はそう言って、自転車をこぎ始めました。


視界には遥か先まで続くサイクリングロードと、道沿いに流れる川が映ります。


けれど、背中の先にいる少年の存在が、重く感じる。



あの子は1人で、何か危険なことをしようとしてるんだ。



頼る人とかいるのかな。


でも、母親や警察に言っても小学生がするSCMの話なんて信じる訳ありません。


少年は僕を扱いやすそうだからと言っていましたが、逆に言ったら、少年にとって僕だけが頼りなんだ。



キキッ



人と関わるのが嫌だとか言っておいて、僕はただの優柔不断な心配性です。


僕は自転車を止め、後ろを振り向きました。


すると、少年はこちらに歩いて来ています。


まだ、何か話すことあったのかな。


僕がその場で不思議そうに見ていると、少年は近づいてきます。


「どうしたの?」


僕がそう訪ねると、少年は立ち止まらないまま答えます。


「帰り こっちの方だから」


「あ」


ああ、単に帰り道が一緒なだけか。


なんだか少し恥ずかしいな。