0013 品川 ゼロ (25/103)
「ちょっと違うけど それでいいよ」
僕が頑張って考えて出した結論に、少年は不満そうでした。
少年の返しに僕もちょっとムッとしました。子供だということを忘れそうです。
「さらに 人から愛されたり誉められたりすると 報酬神経は活性化されるんだ」
僕が話についていけない様子でいる事に気付くと、少年はため息をはいてから付け加えます。
「要するに 誉められると気持ちいいってことだよ」
誉められたら気持ちいい。まあ確かにそうです。
次に、初めからそう言えばいいんじゃないかと思いました。
「ここまでは人間や動物が本来持つ脳の働きなんだ」
少年はそう言うと、今度はあの器具を取り出して話し始めました。
「SCMは 今言った脳の働きを爆発的に助長させるんだよ」
「ああ」
そうだ。少年はSCMっていう器具の話をしているんだった。
「奴隷になった人間 いや動物は主人からの寵愛(ちょうあい)や誉められる事に報酬神経を活性化させるんだ」
「あの ちょうあいって?」
「寵愛も知らないの?」
知らないっていうか。
「普通使わないよ」
「目上の人に 特に愛されたり気に入れられることって思えばいいよ」
「へえ」
やっぱり普段使わないよ。
ていうか、脳の話もそうだけど、よくそんな難しい言葉も知ってるなあ。