0012 墨田 ズシオウマル (71/71)

ユウガは今さら嘘は付かないだろう。



手紙を送ってきた、本物の『頭がおかしい人』は別に実在するようだ。



「手紙を読んだ時 正直 嬉しくて くやしくて 焦った」



嬉しくて、くやしくて、焦った?



「あんな一言で僕がワクワクさせられた 僕が求める刺激を見抜かれた気分で くやしかった」



「そんな奴がSCMを所有して奴隷を2人も所有しているかもしれない事に 焦った」



「あの手紙と送り主が 一瞬で僕のコンプレックスになったんだ」



ふと、思った。



ユウガは、あの手紙の送り主に踊らされたのではないかと。



ユウガはエイアの顔を覗き込むように言う。



「エイアなら 頭のおかしい人に踊らされている とか言うかな」



何も言わないエイアをしばらく見つめた後、ユウガは立ち上がった。



「リュウオウに 頭のおかしい人」



「変態みたいな連中が集まって SCMの戦いが激化する」



ユウガ、貴様も十分変態だ。



ユウガは私の意思を察した様に、こちらを見た。



「普通の人間じゃ生き残れない」



エイアがはじめて顔を上げた。



「心配しなくていいよ」



乱れた前髪の間から、冷たい瞳が見える。



「あんた十分 頭おかしいよ」



ユウガはエイアの言葉に、微笑んだ。



「君の前なら 僕は輝ける」



大田ユウガ。



「グルゥゥ」




今に見ていろ。




必ず殺してやる。