0012 墨田 ズシオウマル (37/71)
それから数日後。
私はこの数日間、エイアの家でSCMを探していた。
エイアはユウガから未使用のSCMを渡されている。
まずその匂いを嗅ぎたい。
世田谷の匂いなら、どんなに些細でも分かる。
今出回っているSCMが、本当に世田谷に関わっている物かどうか確かめたいのだ。
そして、そのSCMを破棄する。
エイアには、もうこれ以上SCMに関わって欲しくない。
彼女の言う通り、ゲームとはハマった時点で敗けだ。
やらない事が1番の勝ちなのだ。
だがどんなに探しても、SCMが見つからなかった。
その日もエイアの部屋で、鼻を鳴らしていると。
ピピピ
「ギャウ!」
ビックリした。
エイアの電話が鳴っただけだ。
画面には、大田ユウガの名前が映し出されている。
すると、1階から階段を登る足音が聞こえた。
「どしたのズシ」
エイアが部屋に入ってきた。
しまった。
本来、携帯の音は2階から1階まで届かない。
私の驚いた鳴き声で、エイアが来てしまったのだ。
ピピピピピピ
「あ」
鳴り続ける電話に、エイアが気付いてしまった。