0012 墨田 ズシオウマル (35/71)

「あたしは基本的に 反対だかんね奴隷にするとかしないとか」


エイアはそう言いながら、タバコを吸い始める。


煙たい車内で、私は疑問を感じていた。


エイアはなぜ、こんな男に惚れている?


世田谷はなぜSCMを安価で売った?


エイアが他人にここまで入れ込み、ムキになる事など今まで無かった。


受け入れたくない現実だが、エイアはユウガに惹かれている。


そして、世田谷の目的もますます分からない。


奴はなぜ、安価でSCMを売っている。


SCMは材質上、個人での大量生産は不可能だ。


墨田教授ですら、SCM1つ作り出すのに数百万円をかけていた。


試作段階からの費用ならば、それよりも低く済むはずだが、それだけの物を数百円で売るとは。


世田谷は一体何を考えている?


墨田教授の成果に対する無礼を、更に感じさえする。


「話しても無駄だから帰るわ」


そう切り上げたのは、タバコを吸い終わったエイアだった。


結局、その夜はエイアとユウガが仲違いしたまま解散する事になる。