0011 中央 アタル (36/142)
おお。なかなか肝が座ってるな。
ていうか、こんな時間に集金なんて来るはずは無いがな。
相変わらず部屋からは何も返事がない。
足立シヲリは、次にドアに耳を当て、聞き耳を立てる。
その時の足立シヲリの目は印象的で、大きく見開き、ドアとは反対方向に黒目を向けていた。
長いまつ毛がくっきりと分かり、なぜか唇まで見てしまった。
唇は少し薄いが、柔らかくてみずみずしく見える。
「なんか ガサガサと何かがいる気配はします」
目を俺に合わせ、小さな声で俺に報告する足立シヲリ。
同時に、彼女はそっとドアノブを触り、ゆっくりと回していた。
派手ではないが、暗闇でもキラキラ光る付け爪が目立つ。
指、キレイだな。
しかしドアは開かず、鍵がかかっていると分かった。
何だか、この女は妙に慣れているというか、自発的だな。
単にドラマの見すぎだと思うが。
「どうします?」
ドアから耳を離し、足立シヲリは俺を見る。