0003 杉並 ルシエ (10/32)
【奴隷への命令の制限について】
奴隷になった人間は、基本的に何でもあなたの言うことを聞きますが、いくつかの制限が存在します。
【1.自分(奴隷自身)の死に繋がる行為はさせられません】
要するに、奴隷本人に自殺させることはできないらしい。
また、間接的に死に至らせようとしても、奴隷本人の思考力で自分が死に至ると判断できることはできないそうだ。
例えば「10階のビルから飛び降りろ」と言っても聞かないが、内緒で毒を入れた飲み物を用意し「この飲み物を飲め」と命令すれば飲んで死ぬのだろう。
【2.奴隷本人の『感情』を操ることはできません】
どういう仕組みかは理解できないが、奴隷になっても思考自体は何も変わらないらしい。
『行動』は主人の命令に従うが、『感情』は奴隷になる前の本人のものと、あまり変わらないそうだ。
思考は主人の命令を最優先に考えるが、個人独自の発想などはそのまま。
つまり不条理な命令は怒りつつも実行し、「愛せ」と命令しても、愛することはできないんだろう。
【3.人間の規格を越える作業はできません】
これは「1日で月に行け」とか「空を飛べ」と言っても無理だという話だ。まあ、そりゃそうだろう。
なんかおもちゃの注意書きみたい。
【4.生理現象を制限するのは、奴隷の忍耐力に準ずる】
例えば「食うな」や「寝るな」と言えば、限界まで実行するが【自分の死に繋がる行為はしない】という制限に繋がり、奴隷本人が限界を感じたら食べたり、眠ると書いてある。